.

.　それで、料理も内照的にすれば一種の錬金術で、ウサギの金時計はティータイムに遅れな

いため。イギリスにはアンコはなくてイチゴジャム。アリスはちっこくなったり大きくなっ

たり。

.　錬金術の凄いとこは、キリスト教が「人間の開放」、仏教が「生物の開放」をそれぞれ目

標としているが、一方もう一回り大きな「物質の開放」をうたったところで、まず卑俗な物

質が神様の元へと開放されねばならず、それにともない生物も人間様も、錬金術師自身もオ

ートマティックに連動、開放されるとしているところに錬金術師の金属を介抱する甲斐があ

るのね。

.　「宇宙物質が平和でありますように」のはらはらでシール貼りまくり。

.　これはもうほとんど僕らには実行できない、巨大な薔薇のチューブの秘密のお庭の通り道

ように思える。

.　この一種の覚醒は東洋では「悟り」として僕らアジア人には馴染みのある「象徴」ではあ

るけれど、キリスト教圏ではほとんど病理としか思われてないじゃん。

.　しかしこの「最終的覚醒」を、僕らがどんなに有頂天に声を張り上げて（拡声）その存在

を叫んでも、あるかどうかも実は分らないのね。

.　西洋では教会を通さない覚醒など病理と同じだからね。「そんな奴は狂人として隠せ。首

を切っておしまい。」と女王様は叫ぶ訳ね。

.　しかし最近（2006,12）では鎌倉などでも白人女性の禅オタクの修行者の托鉢なども見

られて、西洋の東洋への接近も盛んで、そのお互いの集合無意識も近づいているのかも知れ

ないのね。

.　「オーム真理教事件」での僕らの試練も実はここにあって、「悟った」と言う人に「いや

、お前など悟ってない」と言える人は「悟った人」だけだと言うジレンマ。

.　これがカルトに対しての「道場破り」が宗教家、学者、評論家など誰からも出ない訳。

.　留置場でウンコ垂れ流しだろうと、教会の懺悔室で少女を誘惑しようと、「悟った人」の

行動であれば、それはいい趣味であろうがなかろうが、救済の一種だと見なされるのね。

.　僕らは宗教的、本質的にその人を否定する事は出来ないので、まっ先に教祖を社会的、政

治的に抹殺するしかないが、教団の精神性はなんら損なわれない「どうぞ、どうぞ。」の社

会性の軽視なの。

.　キリストが死刑囚だろうが、仏陀が乞食だろうが、それは社会を超越し金色に輝く者だか

ら。

.　「悟り」はすべてからの超越で、便宜上つくられた社会性などなんら問題にされず、生死

を超えているから。

.　じゃぁ、この東洋で言われている「悟り」というのは何事でしょうか？

.　「悟り」というのは恐らく「ヨーガ」あたりから当用された観念だと思われ、「ヨーガ」

はインドの「ヒンズー教」以前の原インド人の宗教「バラモン教」の一宗派で、呼吸法と体

操、観想による総毛立つ「解脱」を目指しているのね。

.　この「解脱」というのが「悟り」には一番近い概念で、それ以前のエジプトやメソポタミ

アにはそのようなものを信ずる目標は見られないし、それが「ヒンズー教」に取り入れられ

ヒンズー教のカルトだった仏教にシフトした。「日本の禅宗」は「ヨーガ」に一番近い仏教

。

.

.　「悟り」というのはどこまでいっても覚醒の王様で例えれば「お前は私に命令するように

命令するぞよ。」と言って収まっている女王様。

.　この東洋の流れのなかで庇い培われた「悟り」の概念に最も近いのが、西洋では心の王と

女王の薔薇の門をくぐった結婚、「錬金術の石（ラピス）の発明」なのね。

.　という事はそれはすでに「ヘルメスの宗教」にその元が辿れ、「ヨーガ」も元々出所はそ

のあたりかと予想がつくの。

.　その当たりまで行けばユダヤ教の「カバラ」の魔法も同じ仲間。

.　しかし今では「カバラの生命の木」も、キリスト教の「エデンの林檎の木」も、澄ました

クリスマスツリーに俗悪化されてしまい、大層深遠な「ヨーガのチャクラ人体マンダラ図」

も、いまではヘルシー志向のヒスマダムのセラピー体操の象徴。

.　それではこの「悟り」の兼用の「ラピス」とはどうやって到達しえるものと先人達は考え

たのでしょうかね？

.　そのための錬金術を行う場合、まず初めに用意しなければならないのは当然、実験用の材

料でしょう。

.　これを「第一質料」と言うが、これは錬金術の秘密のうちで最も名高い秘密なの。何処か

ら失敬してくれば言いのかも分らない。

.　最初からこれではほとんどの者が、初めから探究を諦めてしまう。錬金術師に成った甲斐

もなかった。材料さえ分らないのだ。錬金術を評論しようとする宗教学者もこのへんまで文

献を読み進んで、この混乱に驚愕し、これに関してはへたな事は言わない方がいいと思って

本を閉じてしまうよね。何かヘマをしでかせば今までの権威が水の泡だからね。これとはド

ギマギと歪み合わないほうがいいと思うのは当然でしょう。

.

.　ルランドゥスの「錬金術事典」と言う中世の古本でも、同義語は50を下らない。この中

で最も有名なのが皆知っている「水銀」で、この金属の女王、水銀がよく「第一質料」の事

を言い得ていると思う。水銀は常温で流動する不安定な中性的金属で、その表面は鏡面であ

り世界を写し、その像も流動しているからね。

.　「第一質料」とは錬金術師の無意識がぶしつけに投影された物質の事で、流動する鏡面は

一番その事を代理表現しているように思われるよね。

.　僕らの無意識を意識投影した物体が「第一質料」であるなら、無意識と同意の「水」と同

質風体、流動する「水銀」は投影の象徴となる鏡面性を合わせ持っていて、言い得て妙。ア

リスが屈み込んで吸い込まれるのは水鏡だしね。

.　無意識の投影は個人によっても様々な形態を代用とするので、物質名が多量に出現したの

もうなずける。

.　錬金術師達は「第一質料」に匹敵するけったいな物の名を名付け過ぎたので、かえって分

らなくなってしまった。アリスのように。

.

.　この「投影」という心理学用語は実はオカルト全範の神秘的手法、魔法といってもいいも

ののメカニズムを解く鍵となるものね、アリスの鍵のように。女王に首を刈ってしまわれな

いように。

.　僕らは自分の欠点を他人に投影して、その人をもってこいのイジメの対象として理由なく

嫌悪する事があるし、不在な母親を他者に代理的に投影してしまう事もある。また理想的恋

人への気持ちをアイドル達の中に移動してしまう事もあれば、子供の不在をペットに代理さ

せている。

.　そのヘトヘトの愛情の鉾先は生き物に留まらず、家や車、果てはヴァーチャルなゲームや

崇高なる芸術やチャペルにまで行き着く。最も最悪なのは、自分の人生の不遇を敵国を造り

上げて服従させようと団結する戦争だ。

.

.　このように僕らの人生はほとんどが「投影」で出来ているが、この投影にかならず必要な

のが代理物であり抽象化されれば「象徴」「マーク」「エンブレム」となるよね。というの

も無意識は感情レベルだけではなく、遠い心の先のぼんやりした自分でも実体の分らない複

合的なかたまりの場合のほうが多いからね。ユニオンジャックはただのチェック柄だけど、

イギリスのあらゆる物と事をフレームに修めていると言う事。

.　この心的投影が現実に現象として、さっとはみ出してしまうのが「共時性」だと思われる

のね。

.　この「共時性」を用いた手法により錬金術は「悟りの石（ラピス）」を発見していくので

ありました。

.　アリスは自分のつま先がなんてとえ〜距離にあるのかと思う訳よ。ふる里のように。

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