. 今日は「ジョセと虎と魚たち」を、ヴィデオ屋の寄せ集め廃棄投げ売りワゴンの中で
、100円で見つけた時に、無言で「購て購て」言いよるさかい購てやって見とったん。
. コテコテの大坂映画(犬童一心監督)に妻夫木聡が出とるやつやった。これが思った
より取り巻きのおっさん役者達がよかったんや。原作家は田辺聖子やったな、たしか。
. 「魚、魚、魚、どないしてくれんねん。魚やったら泳いで出て来たらええやないか。
」障害者の少女は生涯で初めてのドライブで行った水族館が休みで叫びよる。
. 「海、海、そうか、あれ、海か?」「いえいえ、あれは川。」「うそつけ、だまされ
へんで。」
. そして料理はいつも丁寧にそつなく排他的少女によって瞑想的に作られるんや。台所
がわしらの外部にある火気のある消化機関であることが、足の機能がないというショッ
クな少女によって尚はっきりしてくるんや。植物がわしらの外部にある肺だという事が
知られてるようにや。瞑想的とはただ静かな事を意味せーへんのや。急いでも十全に行
う事をいっとんのや。
. なんでこんな話しするかってゆうたら、映画に意外にウサギのぬいぐるみがよう出て
来よるんや。主人公の大学生がかようて来る少女の家にあるんや。
. ラストのシーンにさえも出て来よって、見終ったところで、わしがいつもすずめに定
期的に餌やるために置いてある、わしの庭の茶碗を見たんや。
. そしたらそこに、ぬいぐるみと同じ胡桃色の汚い本物のウサギが薮から棒におったん
や。
鳥に遣った食パンの切れ端食べとったわ。ほんまやで。なんでこないなところにウサギ
がおるんかわからず、外へ出てウサギみとったわ。あっ映画でそう、さっきウサギ出と
ったなと思いながらな。
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. ちょうどそこへ子供が自転車で通りかかりよって、「あっ、ウサギや。」て叫びよっ
て止まったんで「何処のウサギ?」って聞いたんや。
. そしたらその天使のような子が「このへんで捨てられよったうさぎや。僕も前に野菜
やっとって、捕まえて育てたいんや。前は町内のはずれにいたんやけど、迷ってここま
で来たんや。
捕まえるのは餌たべてるうちがチャンスやさかいな。」って教えてくれたんや。
. ほんでもわしはべつに構えて捕まえる気はないんや。その辺にいつもスズメやカラス
のようにおったらええんや。「まあええがな、ほといたらんかい。ほっとけ、ほっとけ
。」子供にはそういってやった。犬と違って保健所に捕まることは無いさかいな。
. しかしこれらの事はどないなっとるねん。ウサギをここの文章に書けと言う事か?「
共時性」も賢い裏技つこーてるがな。
. そういえば加藤氏の映画も「いなばの白うさぎ」やったな。今は冬で、前の海にはカ
モメもいない。砂浜に打ち上げられた小魚を海鵜、サギがあさっているだけや。しかし
又、きっと帰ってくるがな、カモメもな。鶴はおらんけど、最後に女優の池脇千鶴の絵
入れと来ましたがな。
. これでウサギと亀と鶴が揃った訳やな。
. めでたし、めでたしや。
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